
スーパーで見かける時鮭。なんだか特別そうだけど、いつもの秋鮭と何が違うの?
時鮭の旬や一番美味しい時期はいつなのかしら?
けいじ 意味
春から初夏にかけて登場する、脂ののった美味しい鮭、時鮭(ときしらず)。気にはなるけれど、「値段も高いし、もし買って失敗したら…」と、なかなか手が出せない方も多いのではないでしょうか。特に、よく目にする秋鮭との具体的な違いや、なぜそんなに特別扱いされるのか、分かりにくいですよね。
「旬の時期はいつ?」「秋鮭との決定的な違いは?」「なぜ値段がこんなに高いの?」などなど…、そんな時鮭に関するあなたの疑問に、最新情報(2025年の価格動向も!)を交えながら、どこよりも分かりやすくお答えします!
これらの疑問をスッキリ解決し、「なるほど!」と納得できる情報が満載です。この記事を読めば、自信を持って旬の時鮭を選び、特別な日の食卓を最高に美味しく彩るヒントが見つかりますよ。
時鮭(ときしらず)の旬はいつ?秋鮭との違いは?

「結局、時鮭っていつが一番美味しいの?」「いつも買う秋鮭と、具体的に何が違うんだろう?」…時鮭について調べ始めると、たくさんの疑問が浮かんできますよね。
まずは皆さんが一番気になっているであろう、これらの疑問に対する答えを、分かりやすくまとめてご紹介します!
時鮭の旬はいつからいつまで?一番おいしい時期は○月!
時鮭の旬の時期は、一般的に春から初夏にかけてと言われています。具体的には、早い地域では4月下旬頃から漁が始まり、5月から7月頃までが最も流通量が多くなるシーズンです。
例年だと、脂がしっかり乗って美味しいと言われるピークの時期は、5月下旬から6月頃。この時期の時鮭は、身にたっぷりと上質な脂を蓄えていて、焼いてもパサつかず、とろけるような旨味を堪能できます。
2025年は、海水温の高まりで鮭の回遊が早まると予想され、例年より約2週間ほど早い4月1日に漁が解禁となりました。そのため、脂ののっている時鮭の時期が若干早まるかもしれません。
時鮭と秋鮭の違いは?
普段スーパーでよく見かける「秋鮭」と、特別な「時鮭(ときしらず)」。具体的にどこが違うのか気になりますよね。
一目で分かるように、主な違いを表にまとめました。
比較項目 | 時鮭(ときしらず) | 秋鮭(あきあじ) |
---|---|---|
漁獲時期 | 春~初夏(主に5月~7月) | 秋(主に9月~11月) |
状態 | 産卵前で若い | 産卵のため川に戻ってきた(成熟) |
脂の乗り | 非常に良い(全身に脂が行き渡る) | やや少なめ(身が締まっている) |
味・旨味 | 濃厚でとろけるような旨味、身が柔らかい | さっぱりとした旨味、身離れが良い |
見た目 | 銀色に輝き、体型がふっくらしている | 婚姻色(ブナ模様)が出ている個体も |
主な用途 | 塩焼き、ムニエル、刺身(※鮮度注意)など | 塩焼き、鍋物、フライ、いくら(採取) |
値段 | 高価 | 比較的安価 |
秋鮭も美味しい鮭ですが、産卵のために体力を使うため、時鮭に比べると脂の乗りは控えめになる傾向があります。一方、時鮭はまだ若く、産卵の準備に入っていないため、栄養を全身に蓄えており、それが抜群の脂の乗りと美味しさに繋がるのです。
なぜ「時鮭」と「ときしらず」は同じものを指す?
「時鮭」は、普通は”ときさけ”または”ときじゃけ”と読みますが、基本的に「ときしらず」のことを表す言葉です。どちらも「時期外れ(本来獲れる秋ではない時期)に獲れる鮭」という意味合いを指します。
●時鮭(ときさけ・ときじゃけ):季節外れの「時」に獲れる鮭
●時不知(ときしらず):自分の産卵期(秋)という「時」を知らない鮭(忘れたかのように春~夏に回遊している)
どちらの呼び名も使われますが、意味としては同じ鮭(シロザケ)を指していると覚えておけば大丈夫です。
2025年の時鮭の値段はいくら?気になる相場は?

やはり気になるのが時鮭(トキシラズ)の値段ですよね。高級なイメージがありますが、実際の相場はどのくらいなのでしょうか?
4月3日に市場で初セリ 最高値は1キロ約1万円
根室市や厚岸町では、初水揚げされた時鮭の初競りが4月3日に行われ、最も高いものでは1kgあたり1万800円(厚岸市場)の値が付きました。
この値は昨年の1万2852円に近い高値となっており、数年前の4千~5千円と比較すると今年もかなりの高値です。
独自調査!スーパーで1切れ700円
時鮭の値段は、その年の漁獲量や時期、産地、サイズ、販売店によって大きく変動しますが、一般的な目安としては以下のようになります。
●切り身(1切れあたり): 500円~1,500円程度
●一尾(丸ごと): 数千円~数万円(サイズや品質による)
2025年4月5日の時点での道東地方のスーパーでの販売価格は、切り身が約700円前後、1尾まるごとは約5千円~6千円前後となっています。
ただ、旬の走りや終わりの時期、あるいは少し小ぶりなものなどを狙えば、比較的手に取りやすい価格で見つかることもあります。
なぜ美味しい幻のサケと言われる?時鮭が特別な理由と特徴

「幻の鮭」とまで呼ばれる時鮭(ときしらず)。なぜそこまで特別視され、多くの食通を魅了するのでしょうか?その美味しさと希少性の秘密を、詳しく見ていきましょう。
時期外れに獲れる希少性 「時を知らない」生態の秘密
時鮭の正体は、実は秋に産卵のために日本の川に戻ってくる秋鮭と言われるシロザケと同じものです。
しかし、ロシアのアムール川周辺などで生まれたシロザケは、まだ成熟しきっていない若い状態で、産卵期(秋)ではない春から夏の時期に、エサを求めて北海道沿岸などを回遊しています。この「時を知らない」かのような生態が、「ときしらず(時不知)」という名前の由来にもなっています。
時鮭は、秋鮭に比べて漁獲量が圧倒的に少ないため、希少価値が高く、「幻の鮭」と呼ばれる理由の一つとなっています。
若々しく全身に広がる上質な脂ノリ
時鮭が美味しい最大の理由は、その抜群の脂の乗りにあります。
まだ若く、これから成長するために豊富なエサを食べているため、身全体に上質でサラリとした脂が行き渡っています。秋鮭は産卵のために栄養を卵(筋子や白子)に集中させますが、時鮭はまだその準備段階にないため、栄養が身全体に蓄えられているのです。
この豊富な脂が、焼いた時にジュワッと溢れ出し、とろけるような食感と濃厚な旨味を生み出します。「鮭はパサつくのがちょっと…」と感じている方にこそ、ぜひ一度試していただきたい美味しさです。
主な産地(北海道)と漁獲時期

時鮭の主な産地は、やはり北海道です。特に、道東(釧路、根室、羅臼など)や日高沖 などが有名な漁場として知られています。
時鮭は北海道のどこで獲れる?
漁獲される時期は、先述の通り4月下旬から7月頃が中心ですが、北海道の中でも獲れる地域は限られています。時鮭が獲れる地域は、主に太平洋側の道東の太平洋側や日高地方に集中しています。
●道東エリア(釧路・根室・羅臼): 4月下旬~7月下旬頃
●日高沖(えりも・様似・新ひだか): 5月~7月上旬頃
この時期に北海道を訪れる機会があれば、現地の市場やスーパーなどで新鮮な時鮭に出会えるかもしれませんね。
筆者のつぶやき

2025年4月3日、根室市や厚岸町の市場で「時鮭(ときしらず)」の初競りが行われ、今年も昨年同様高値となりました!早くも道東地方では店頭に並んでおり、待ちきれなかったお客さんで売り上げは好調のようです。私は、もうちょっと安くなってから買おうと思います…。

keimei
大阪府出身、北海道に移住して12年目。道内各地を転々とし、現在は道東に在住。2024年12月に北海道観光マスター検定、2025年3月に北海道フードマイスター検定合格。
コメント