北海道では花粉症が治るって聞いたけど本当なのかな?そもそも花粉があまり飛んでいないらしいけど…
2月頃になると、花粉の飛散情報などがニュースで盛んに報道されますが、その中に北海道は入っていませんね。「北海道では花粉症と無縁」というのは、半分は正しい情報です。
「半分正しい」というと歯切れが悪いですよね。残り半分がウソという理由は、実は北海道にも花粉症は存在するからです。ただ、本州で花粉症の原因となる「スギ」や「ヒノキ」の花粉とは異なるため、「北海道ではスギやヒノキの花粉症と無縁」なのです。
つまり、北海道に来て花粉症が治ったわけではなく、原因となる「スギやヒノキの花粉」が少ないため、症状が出なくなったわけです。
私も本州に住んでいた時は重度の花粉症で、鼻炎の薬やティッシュを手放せませんでした。しかし、北海道に移住してすぐに症状がなくなりましたよ^^
このページでは、北海道に移住して花粉症の症状が出なくなった私が、北海道の花粉状況や花粉を避けるための準備についてご紹介します!
日本国内の花粉の状況
本州では主に「スギ」と「ヒノキ」の花粉が飛散量が多く、それによって鼻水や目の充血、くしゃみが出る花粉症に悩まされている方が多くいらっしゃいます。
東京都内の花粉飛散量や飛散時期
花粉の飛散量について、花粉情報標準化委員会により花粉数のランク基準が以下のように示されています。
ランク | 基準 |
---|---|
少ない | 0~9個/cm2 |
やや多い | 10~29個/cm2 |
多い | 30~49個/cm2 |
非常に多い | 50個以上/cm2 |
ここでは、比較的花粉の飛散量が多いと言われる東京の2地点を例にとってみましょう。
東京都千代田区と八王子市の2022年のスギ、ヒノキの花粉の飛散状況を見ると、2月頃からスギ花粉が観測されはじめ、5月頃まで飛散していることがわかります。
特に3月と4月は、50個以上/cm2のランク「非常に多い」となることが多く、花粉のピークであることがわかりますね。10年間の飛散状況で見ると、八王子は山に近いせいか、千代田区よりもかなり多い数値となっています。
【千代田区】2022年スギ花粉の飛散状況(個/cm2)
【千代田区】2022年ヒノキ花粉の飛散状況(個/cm2)
東京アレルギー情報navi.より引用
【八王子】2022年スギ花粉の飛散状況(個/cm2)
【八王子】2022年ヒノキ花粉の飛散状況(個/cm2)
東京アレルギー情報navi.より引用
北海道の花粉の状況
一方で、北海道の花粉の状況はどうでしょうか。一般的に北海道では、函館などの道南以外ではスギやヒノキは自生していません(人工的に植えたものを除く)。
スギの場合、最寒月の平均気温が-2℃~4℃ほどでないと冬を越せないため、それ以上に寒くなる地域では生育することができません(札幌の最寒月の平均気温は-7℃)。また、ヒノキの分布の北限が福島県であるため、北海道では生きることができないのです。
そのため、北海道ではカラマツやトドマツなどを植生し、家づくりなどの材木にすることが多くなっています。
現在の花粉情報(札幌)
札幌の花粉情報は、2月下旬から10月中旬まで北海道立衛生研究所で公表されています。
札幌限定の情報提供ですが、これから北海道にお出かけする方や今の花粉の状況が知りたい方におすすめ。
北海道の花粉の種類
北海道で観測される花粉は以下の通り。スギよりもシラカバの花粉飛散量が多く、北海道の花粉症と言えばシラカバが要因とされることが多いようです。
花粉の種類 | 道内地域 | 主な飛散時期 |
---|---|---|
スギ | 主に道南 | 3月~4月 |
ハンノキ | 北海道全域 | 3月~4月 |
シラカバ | 北海道全域 | 5月~6月 |
イネ科 | 北海道全域 | 5月~6月 |
ヨモギ | 北海道全域 | 8月~9月 |
シラカバは、スギよりも飛散時期が若干遅く、ゴールデンウィークあたりから6月にかけてがピーク。北海道に長年住み続けている人はシラカバ花粉症を発症する可能性はありますが、観光客の方がシラカバ花粉症を発症することは稀でしょう。
私は北海道にトータル10年ほど住んでいますが、シラカバ花粉症はまだ発症していませんよ。
北海道内の花粉の飛散量や時期は?
北海道でスギ花粉は全く飛んでいないわけではなく、少量ではあるものの観測されています。ただ東京の飛散量と比較すると、飛散量も期間も圧倒的に少ないので、スギ花粉の症状は出にくいのでしょうね。
函館(道南)
函館等の道南地方は、スギの自生の北限に入るため、少なからず花粉は飛んでいます。
ただし、東京では飛散期間が2か月ほどあるのに対し、函館では1か月程度。ピークの花粉数も東京の約半分なので、症状はだいぶ軽減されるでしょう。
シラカバは寒い地域にを好むので、北海道内では比較的温暖な函館において、シラカバ花粉の飛散量は他の地域に比べて控えめなようです。
【函館】2022年花粉の飛散状況(個/cm2)
北海道立衛生研究所より引用
札幌(道央)
札幌においてもスギ花粉が観測されていますが、3月下旬から4月上旬とかなり限定的。一方でシラカバ花粉は5月に多く観測されており、花粉症に悩まされている方も一定数います。
都市化が進んでいる地域は、地面が露出しているところが少なく、アスファルトに落下した花粉が再び舞い上がってしまうことが花粉数増加の一因になっているかもしれません。
【札幌】2022年花粉の飛散状況(個/cm2)
北海道立衛生研究所より引用
旭川(道北)
道内でも有数の寒冷地の旭川では、ほとんどスギ花粉は観測されていません。シラカバの花粉も札幌に比べると少なく、それほど影響はないでしょう。
旭川など積雪の多い地域は、4月に入っても雪が残っていることが多いため、地表から舞い上がりにくいことも花粉飛散量に影響しているかもしれません。
【旭川】2022年花粉の飛散状況(個/cm2)
北海道立衛生研究所より引用
帯広(道東)
帯広でもスギ花粉が多少観測されていますが、量は少なく期間もわずかであるため、ほとんど影響はないでしょう。シラカバの花粉が4月下旬から観測されていますが、札幌に比べるとかなり少なめ。
旭川などの道北や、帯広・釧路などの道東地方では、花粉の影響はあまりないと考えて良さそうです。
【帯広】2022年花粉の飛散状況(個/cm2)
北海道立衛生研究所より引用
花粉症の対策
北海道に行ってしまえば、スギ花粉に悩んでいる人もおそらく症状が軽減すると思われます。ただ、油断は禁物。まったくゼロではないので、重度の花粉症の方は念のため対策をしておきましょう。
マスク・メガネ・鼻炎薬などで対策
花粉症対策の基本はやはりマスク、メガネ、薬の3点セット。今となってはマスクは常備されている方も多いでしょう。
メガネを選ぶ場合、目の周囲をしっかりガードしている製品が効果的。一般的なメガネと異なる、ゴーグルタイプの花粉対策用のメガネが販売されているので、目のかゆみが気になる人はそちらを選ぶとよいです。
鼻炎薬の服用は花粉症対策として効果はかなりありますね。最近ではバラ科キイチゴ属の「甜茶懸鈎子(てんちゃけんこうし)」が花粉症に効くということがわかり、こちらを愛用する方もいるとか。
ただし、これらはいずれも症状が出る前に飲んでおいた方が改善につながりやすいとのことなので、花粉が飛び始める前に体に慣らしておいた方が良さそうです。
まとめ
ここでは、北海道の花粉の状況についてご紹介しました。
花粉症は鼻水やくしゃみが続くので、本当につらい症状ですよね。私も本州に住んでいた時は、ティッシュが手放せませんでした。花粉症でお悩みの方は、春に北海道に「疎開」することも考慮に入れたほうが良いかもしれません。
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